意匠権は工業デザインを守る権利です。
高度なデザイン性を有していなければ、意匠登録されないと思われがちです。例えば、ハンドバッグ、スニーカー、車…
高度なデザイン性を有しているか否かに関わらず、新しいデザインであること（新規性）と、既存のデザインの容易な組み合わせでないデザイン（創作非用意性）であれば、そのデザインは意匠権として登録を受けることができます。
このことから、技術的な形状を意匠権によって押さえることができます。
但し、物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠は登録できません（意匠法５条３号）。このことは、後日ブログで書きたいと思います。
※書きました クリックすると開きます。（物品の機能を確保するのに不可欠な形状のみからなる意匠は意匠権を取得できません）
例えば、タイヤのトレッド部のパターンは、多数（5000以上）の意匠権が取得されています。
スタットレスタイヤは、その独特なトレッドパターンによって、より凍結路でも滑りにくいという機能を有しています。
そのスタッドレスタイヤのトレッドパターンについて意匠権を取得することができれば、スタッドレスタイヤのトレッドパターン技術的な形状について意匠権として独占することができます。
実際に、スタッドレスタイヤの意匠権は存在しています。
スタッドレスタイヤのトレッドパターンの意匠 図は下記URLより引用
意匠権は、コピー製品に対して対処しやすいです。
上で取り上げた中国のタイヤメーカは、ブリヂストンのスタッドレスタイヤのトレッドパターンをそのコピーした商品を売っていたのですが、意匠権の効力は登録意匠の同一又は類似の範囲まで及ぶことから、意匠権を有する商品のコピー商品を売っていたら、即意匠権侵害です。
意匠権が有る商品のコピー商品（パクリ商品）は、容易に権利侵害と判断することができます。意匠権の存続期間は出願の日から２５年です（特許権の存続期間は、原則出願の日から２０年）。
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かなり長い期間において、技術的な形状について独占権を得ることができます。
何か技術的な形状を思いついた場合には、特許出願とともに意匠登録出願をすれば、その技術的な形状について多面的な保護を図れると考えます。
技術的な形状を意匠権で押さえるというのは、”裏技的”ではありますが、かなり効果的であると思っています。意匠制度って実はかなり使い勝手の有る制度で有ると思っています。
意匠制度の理解を深めるために、当所の意匠のページを御覧いただけると幸いです。ここをクリックすると当所の意匠のページが開きます。
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