新型コロナウイルの蔓延の状況下において激増した意匠登録出願があります。
それは、①マスク、②接触防止具です。
①マスクの意匠登録出願
2019年のマスクの意匠登録出願は81件でしたが、2020年のマスクの意匠登録出願は516件でした。
本当に激増といって良いでしょう。
具体的にどのようなマスクの意匠が出願されて登録されたか見ていきましょう。
花王のマスクの意匠
花王㈱の登録意匠です。
マスク本体の内部には冷却シート又は蒸気温熱シートが内蔵され、装着時に冷気又は蒸気が発生するそうです。
なかなか画期的な意匠というか画期的な技術です。
このような技術的な形状も意匠権で抑えることができます。
ファスナー付きの意匠
ファスナー付きの意匠です。
ファスナーを開くことで開口部が形成されるので、飲み物を飲む時に便利ですね!
②接触防止具の意匠登録出願
2019年のマスクの接触防止具の意匠登録出願は11件でしたが、2020年の接触防止具の意匠登録出願は39件でした。
元々出願件数は少なかったのですが、コロナ下で3倍以上に増えました。
具体的にどんな接触防止具の意匠が出願されて登録されたか見ていきましょう。
タカラトミーの接触防止具の意匠
㈱タカラトミーの接触防止具の登録意匠です。
フック部がカード部に収納可能な構造で、ドアの開閉時やボタンの操作時において、対象物に手が直接触れることを防止するための接触防止具です。
動きの有る意匠なので、動的意匠といえます。
タカラトミーって玩具メーカーですが、このような接触防止具を売り出すのでしょうか。
東海理化電機製作所の接触防止具の意匠
㈱東海理化電機製作所の接触防止具の登録意匠です。
電車のつり革またはドアハンドルあるいは操作ボタンなどの対象物に直接触れることなく当該対象物を使用することが可能なフック型の接触回避器具です。
ユーザは、フック型接触回避器具の開口部に手を挿通させて開口部の周囲を把持し、フック型接触回避器具のフック部をつり革やドアハンドルなどに引っ掛けたりフック部の一部で操作ボタンを押したりして使用することができます。
コロナ下においては、つり革も素手で掴みたくなので、このような接触防止具を用いれば、直接つり革を触れずに済みますね。
まとめ
コロナ下において、出願が激増した意匠登録出願が有りました。
技術的な形状も意匠権で抑えることができ、出願の日から25年もの間デザインを模倣品から守ることができるので、本当に意匠権は優れものです。
形有る製品を開発した場合には、その製品について意匠登録をすることをお勧めします。
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