カレーうどんの若鯱家が、従業員に商標権を取られてしまい、鯱乃家に店名を変更した件について
商標権を取得していなかったために、従業員に商標権を取られてしまい、店名の変更を余儀なくされてしまった話をします。
皆さんは、若鯱家というカレーうどんのチェーン店をご存知でしょうか?
名古屋や名古屋周辺に在住の方には、わりと知られています。
そして、このチェーン店の若鯱家は元祖では無く、元々「若鯱家」と名乗っていた店は、従業員に商標権を取られてしまい、店名の変更を余儀なくされたのでした。
この話は、名古屋や名古屋近郊の方には、わりと知られた話です。
元祖若鯱家(現在の鯱乃家)とは?
元祖若鯱家である現在の鯱乃家とは、1976年に名古屋市北区黒川で開業した、カレーうどんを提供する店です。
当時は、現在の若鯱家に商標権を取られるまで、「若鯱家」という店名で営業していました。
私は、20年以上前にこの近くの印刷屋でアルバイトをしていたのでしたが、バイトが終わった時に、その印刷屋の社長の奥さんに、かなり美味しいとから食べてきなさいと、お金を渡されて食べたことがありました。
確かに、美味しかった記憶が有ります。
20年以上ぶりに、食べてきました。
ここのカレーうどんは、鶏ガラ、魚介、野菜でダシをとっているそうです。
20年以上ぶりに、食べましたが、確かに美味しいです。
是非、食べに行って下さい。
鯱乃家の食べログは、ここをクリックすると、新しいウインドウが開きます。
鯱乃家についての解説“名古屋カレーうどん”の元祖、「本店 鯱乃家」は、ここをクリックすると、新しいウインドウが開きます。
「本店 鯱乃家」はかつて「若鯱家」の屋号を冠し、鶏ガラスープに数種類のカレースパイスをブレンドしたオリジナルのカレーうどんを名物メニューとしていた。若鯱家の名前を聞くと、関東や関西にまでチェーン展開を広げる有名店が頭に浮かぶ。つまり、名古屋カレーうどんの歴史は、この場所にルーツがあるのだ。
こちらの本店の旅というWEBページに、元祖若鯱家について、詳しく書かれています。(ここをクリックすると、本店の旅のWEBページが新たに開きます。)
寿がきやが、本店鯱乃家のカレーうどんを販売しています(下の写真をクリックすると、寿がきやの商品情報ページが開きます。)。
しかし、「鯱乃家」で商標権は取得していないようです。
チェーン店の若鯱家とは
若鯱家は、名古屋を中心とした東海地方を中心にチェーン展開をしているカレーうどん屋です。
名古屋に住んでいる人ならば、この若鯱家のロゴをご存知かもしれません。
以下に、若鯱家のホームページを示します。
若鯱家のホームページは、ここ(ここをクリックすると、若鯱家のホームページが新たに開きます。)
ウィキペディアにも若鯱家のことが書かれています(ここをクリックすると、ウィキペディアの若鯱家のページが新たに開きます)
この若鯱家は商標権を取得しています(商標登録313934,商標登録5590888)。
従業員に商標権を取得されてしまい、「若鯱家」の店名が使えなくなり、「鯱乃家」に店名変更
元祖若鯱家(現在の鯱乃家)は、1976年に開業して20年ぐらいは、「若鯱家」との店名で営業していたのでした。
ところが、1992年9月に元祖若鯱家で働いていた従業員が、商標「若鯱家」、指定役務「うどんの提供」で商標出願し、1995年11月年に商標「若鯱家」が設定登録されます。
なお、1992年9月に出願されて1995年11月に登録されるまで3年2ヶ月もかかっているのは、異議申立がなされているからです。閲覧請求をして、異議理由がどのようなものなのか見てみようと思います。
元祖若鯱家は、従業員が取得した商標権の侵害となってしまうために、「鯱乃家」と店名の変更を余儀なくされたのでした。
現在の鯱乃家の看板とのれんを示します。
この前食べてきたときに、鯱乃家の店主に商標が取られてしまった件について聞いてきたのですが、店主は3回代わっており、現在の店主は詳しいことは分からないものの、「送り込まれて、商標を取られてしまった」と言っていました。
私の知人の情報やウィキペディア情報によると、広告代理店の「東海通信社」から元祖若鯱家に人が送り込まれて、元祖若鯱家のカレーうどんのスープのとりかたを習得されたうえに、「若鯱家」の商標権を取られてしまったようです。
詳しい情報をお持ちの方がいらっしゃれば、教えてくだされば幸いです。
先使用権は認められなかったのか?
商標の出願の前から、商標を使用していた結果、商標出願の際に、その商標が周知となっていれば、商標権の侵害とならず、その商標を継続して使い続けることができるという先使用権を主張することができます。
先使用権の詳細は、ここをクリックしていただければ、先使用権のページにジャンプします(新しいページが開きます)。
商標の先使用権は、訴訟において、認められます。
以下のページでは、裁判となったとされています。
商標トラブル、若鯱家事件ご存じですか?(ここをクリックすると、新しいページが開きます)
事情を知っていらっしゃる方がいらっしゃれば、教えてくだされば幸いです。
訴訟において、先使用権が認められるためには、客観的な周知性の証拠が必要となります。
なんとなく、周囲の人に知られているというのでは、証拠とならないのです。
周知性の客観的な証拠とは、広告の態様・回数、雑誌・新聞等のメディアに取り上げられたとかです。
この周知性を立証する客観的な証拠が提出できずに、訴訟において、商標の先使用権が認められない場合は、多々あります。
元祖若鯱家は、訴訟において、周知性を立証する客観的な証拠を提出することができずに、商標の先使用権が認められなかったのかもしれません。
商標出願をしましょう!
この若鯱家の事案では、先に「若鯱家」という店名を使用していたのにも関わらず、後から商標の出願をされて、商標権を取得されてしまった結果、店名が使えなくなってしまい、店名の変更を余儀なくされたのでした。
私は、事業をしている方に、会社名・店名・商品・サービス名・ロゴを守りたいならば、商標の出願をして、商標権を取得しましょうと言っています。
しかし、反応がイマイチな場合が有ります。
・うちのような1店舗しか営業していない店の店名が取られるわけが無い
・商標って、営業規模が大きいところがとるもんでしょう
とかです。
しかし、元祖若鯱家が第三者に商標権を取得されてしまい、店名の変更を余儀なくされたという話をすると、「商標権を取得しておかないといけないね」という反応になります。
店名の変更には、看板の掛替をする必要が有ります。
商標権の取得費用よりも、看板の掛替の費用の方が、費用がかかると思います。
店名を変更してしまうと、今まで築き上げてきた信用が0となってしまったり、知名度も0となってしまい、また信用や知名度を0から築き上げることとなります。
飲食店をされている方は(飲食店以外の事業をされている方も)、商標権を取得しましょう。
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