オリンピックで卓球盛り上がりましたね。

 

特に、伊藤美誠選手は、混合ダブルスで中国ペアを破り金メダルを獲得し、更に、個人で銅メダル、団体で銀メダルを獲得し、大活躍でした。まだ、20歳なので、今後の活躍に期待できますね。

 

伊藤選手は、2018年のスウェーデンオープンで中国の3選手を破って優勝し、中国で注目されるようになり、中国で大魔王と呼ばれています。

 

中国で注目されている伊藤選手ですが、中国で深圳の企業により商標伊藤美誠」が指定商品「フィットネス機器、衣類靴、帽子」で取得されていました。

 

中国ならではの話ですね。

 

出願は2016年6月です。

 

そんな早くから注目されていたのですね。

 

中国で登録されていた商標伊藤美誠」は、今では無効となっています。

 

日本では、他人の人名の商標は、その他人の承諾を得ていない場合に、拒絶・無効となります(商標法第4条第1項第8号)。

 

因みに、日本では、例え自分の氏名を商標登録出願した場合であったとしても、同姓同名の他人が存在した場合において、その他人の承諾を得ていない場合には、商標法第4条第1項第8号の規定により、拒絶・無効となります。

 

また、有名な故人の人名は、公序良俗違反(商標法4条1項7号)拒絶・無効になります。過去には、商標「ダリ」が無効となっています。

 

中国の商標法はどうなっているのでしょうか?

 

中国の商標法では、日本の商標法の商標法4条1項7、8号に相当する条文が無いようです。

 

2017年に、中国の最高人民法院(日本の最高裁に相当)が、有名人の名前商標登録できないとする司法解釈を示しました。

 

この最高人民法の院司法解釈により、商標伊藤美誠」は無効になったようです。

 

メデタシメデタシという感じですが、最高人民法院の司法解釈に頼るのでは無く、ちゃんと立法して欲しいものです。

 

中国では、有名人の名前は、商標登録できなくなったのですが、その一方で、有名人で無い名前は、商標登録できるようです。

 

中国では、佳子内親王について、指定商品「生理用ナプキン」で商標登録されています。

 

佳子内親王は、日本の皇族ですが、中国では有名人では無いという扱いなんでしょうか。

 

日本ならば、外国の王族等の名前は、公序良俗違反(商標法4条1項7号)拒絶・無効になりそうです。

 

やはり、中国の商標法は、法整備が不十分な印象を受けます。

 

 

2021/9/30追記

中国で、東京オリンピックで活躍した中国人選手の商標登録出願が多数なされているようです。

 

中国商標局「五輪選手氏名の商標先取りは禁止」 「伊藤美誠」を含む出願は無効状態

東京五輪で優秀な成績を収めた中国の楊倩(Yang Qian)選手、全紅嬋(Quan Hongchan)選手、陳梦(Chen Meng)選手、蘇炳添(Su Bingtian)選手、さらに日本の伊藤美誠(Mima Ito)選手を含む一部外国人選手の氏名が無断で商標登録された件について、中国五輪組織委員会は18日、ウェイボー(Weibo)の公式アカウントで、「『中華人民共和国民法典』『中華人民共和国商標法』『中華人民共和国反不正当競争法』等の関連法律法規に基づき、選手本人または未成年選手の後見人の承認がない場合、五輪選手の氏名を利用して悪意で商標登録、その他、選手の氏名権などの合法的権益を侵害する行為をしてはならない。上記の行為がある場合は速やかに商標登録の申請を取り下げる」と公表しました。

 

また、中国国家知的財産権局商標局は19日、「五輪選手は公人として、自らの氏名を使用する優先権を持つ。関心の高い話題にすり寄る悪質な出願行為は、商標局に拒絶されるものとする」と明らかにしました。

 

中国で五輪選手が勝手に商標登録されるケース相次ぐ

 

東京五輪閉幕後、中国で多くの有名選手の名前がさまざまな業者によって商標登録申請されている。中でも最も勢いがあるのが、女子高飛び込みで圧巻の演技を見せ金メダルを獲得した14歳の全紅嬋(チュエン・ホンチャン)。今月15日までに19件の申請があり、食品、衣服、靴、帽子、日用品などその種類は多岐にわたる。報道によると、19件はいずれも現在審査中だという。

 

申請が最も多いのは競泳男子200メートル個人メドレーで金メダルを獲得した汪順(ワン・シュン)。これまでに53件の申請があり、このうち41件は金メダル獲得から1週間以内に出されたものだ。伊藤美誠との対戦でも注目を集めた卓球の孫穎莎(スン・インシャー)も人気で、すでに2件が審査を通過しているという。

 

 

 

中国国家知的財産権局商標局は、「五輪選手は公人として、自らの氏名を使用する優先権を持つ。関心の高い話題にすり寄る悪質な出願行為は、商標局に拒絶されるものとする」と声明を出していますが、どのような法に基づいて拒絶されるのでしょうか?

 

やはり、有名人であるという理由で拒絶しているものと思われます。

 

オリンピックでメダルを取るような有名人であれば商標拒絶されるが、スポーツ選手であったとしても、そこまで有名人でなければ、拒絶されないのかもしれません。

 

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