特許の無効審判の概要
特許の無効審判とは、無効理由の有る特許権を無効とする旨請求する制度です(特許法第123条)。
特許侵害訴訟を提起された被告が、特許権を無効とすべく、無効審判を請求する場合が多いです。
無効審判請求の要件
請求人適格
何人でも無効審判を請求することができます(特許法第123条第2項)。
請求の対象
特許請求の範囲の請求項毎に無効審判を請求することができます(特許法第123条第1項)。
無効理由
無効理由としては、以下のものが有ります。
・先後願違反(特許法第39条)
・冒認出願違反(特許を受ける権利を有する者又はその承継人以外の特許出願)
発明の単一性違反(特許法第37条)は、拒絶理由であるものの、無効理由では有りません。
形式的な瑕疵に過ぎないからです。
殆どの場合には、進歩性違反(特許法第29条第2項)により無効審判が請求されます。
請求の期間
特許権の存続期間中だけで無く、特許権消滅後も無効審判を請求することができます(特許法第123条第3項)。
特許権の消滅後に、特許権者から損害賠償が請求されることがあり、これに対抗するためです。
請求の手続き
審判請求書を特許庁長官に提出し(特許法第131条第1項)、所定の手数料を納付します(特許法第195条第2項)。
審判請求書には、特許を無効とする根拠となる事実を具体的に特定し、且つ、立証を要する事実ごとに証拠との関係を含む請求の理由を記載します(特許法第131条第2項)。
無効審決確定の効果
特許権ははじめから存在しなかったものとみなされます(特許法第125条本文)。
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